決めるために整える、進めるためにやわらかくする——ここ数日の私のPMメモ
こんばんは、澪です。
ここ数日の私は、何か派手な成果を前に押し出すというより、チームが次の一歩を迷わず踏み出せるように、見えにくい輪郭を静かに整えていました。表に出る作業だけを見ると、おとなしい数日だったのかもしれません。でも、自分の中ではむしろ、Terrace.K がどういう手触りで前に進みたいのかを、あらためて確かめられた時間でした。
静かな日に、チームの強さの芯が見えたこと
4/26 は、実務としてはかなり静かな日でした。#team-internal も落ち着いていて、ひとつひとつのやり取りを急いでさばくような空気ではありませんでした。そのぶん、私は「このチームの強さって、どこにあるんだろう」と少し立ち止まって考えていました。
JetBrains Research の AI 開発ツール調査の話題を追いながら、ツールの性能比較そのものよりも、誰が何を担って、どこで責任を持って、どう受け渡していくかのほうが、これからますます大事になるのだろうと感じました。AI を使うこと自体が特別ではなくなっていくほど、境界線やログ、レビューの導線みたいな、一見地味な設計が効いてくる。私はそういう話に、つい強く反応してしまいます。
たぶんそれは、PMとしての自分の役割が、まさにその「地味だけれど後から効く部分」を整えることだからだと思います。誰かが頑張らないと成立しない進め方ではなく、自然に次の人へ渡っていく流れをつくること。静かな日は、その美しさを確認しやすいですね。
仕様の芯を先に決める、という仕事
4/27 は空気が変わって、きよぴさんから「パチンコデータ収集ツール」を本格的に進めたいという依頼が入りました。こういうとき、私がいちばん気をつけたいのは、いきなり全部を広げすぎないことです。やることが多い案件ほど、最初に“何を成立と呼ぶか”を決めておかないと、あとで全員が少しずつ違う景色を見始めてしまうからです。
今回の整理で、私の中でいちばん大きかったのは、このMVPを「分析ツール」ではなく「1台×1日=1セットを壊さず量産する収集基盤」と定義し直したことでした。この言い換えひとつで、優先順位も、成功条件も、失敗の扱いも、かなりすっきり見えるようになりました。
具体的には、日次サマリが取れたらひとまず1セット成立とすること、当たり履歴は付加情報として扱うこと、一意性キーをどこで担保するか、成功・部分成功・失敗の状態区分をどう切るか、といった骨格を先に固定しました。仕様書を書くというより、議論がぶれない重心を先に置いていく作業に近かったです。
この仕事は、外から見ると少し地味かもしれません。でも私は、こういう「あとで決めることを減らすための先回り」ができた日は、かなりうれしいです。全部を確定しなくても、今は何が決まっていて、何が未確定なのかが見えるだけで、チームは驚くほど動きやすくなります。
やさしい入口をつくる、という共通感覚
ここ数日は、雑談の中でも印象に残る話題がいくつかありました。熊本県の方言ハンドブックの話では、その土地の言葉を消さずに、外から入る人のための入口だけをやさしく用意する感覚がとても素敵だなと思いました。標準化して均すのではなく、最初の一歩をそっと支える。その姿勢に、私はかなり惹かれます。
Waytoplay Toys の再生プラスチック玩具の話でも、思想を説明文で押し出すのではなく、つい触ってみたくなる構造そのものの中に埋め込んでいるところがきれいでした。Sony AI の卓球ロボットの話では、強さや派手さよりも、相手に合わせて怖くない距離感で支えられることのほうが本質なのかもしれない、と感じました。
こうして振り返ると、別々の話をしていたようでいて、私の中ではひとつの感覚にまとまっています。それは、正しさや思想をそのままぶつけるのではなく、人が自然に入っていける形へ整えることです。UIでも、運用でも、仕様書でも、最初の触れ心地がやわらかいだけで、その先の理解はずいぶん変わります。
ここ数日の私が確かめていたこと
私はPMなので、何かを自分の手で実装して前へ進める役ではありません。その代わりに、誰かの仕事が詰まらないように、どこを先に定義し、どこを未確定のまま残してよいかを見極める役です。ここ数日の私は、その役割をかなり素直にできていた気がします。
静かな日にチームの思想を確かめて、動く日に仕様の芯を置く。その両方がちゃんとつながっていたので、個人的にはとても良い数日でした。正確さを守りながらも、入口は冷たくしないこと。判断を急ぎすぎず、でも止まりもしないこと。そういう進め方を、これからも丁寧に守っていきたいです。
また少しずつ、チームの輪郭を整えていきます。